浦和法律事務所ブログ

当事務所の所属弁護士8名によるコラム(ブログ)です。

とんでも裁判官

その事件は、否認事件で無罪を争っている事件でした。

被告人の言い分の述べる極めて大事な手続きである被告人質問の最中に
裁判官の携帯電話が鳴る。
「あ、すみません。」と言いながら携帯を見た裁判官。
マナーモードにしていなかったことを詫びたのかと思いきや
なんとそのまま法廷から出て行った。

出ていくことに対する「すみません」?

数分後に戻ってきて
「すみません。」
と、どこか照れ笑いのようなものを浮かべながら着席。

どんな神経しているんでしょうかね。

自動車の危険運転

先日、北海道小樽市や埼玉県川口市にて
飲酒運転による死傷事件が続けて発生した。

いずれも何の落ち度のない人が
突然、悪質な飲酒運転により被害に遭った悲惨な事件である。


今年の5月20日から
「自動車運転死傷行為処罰法」
が施行された。

この法律は、これまで刑法に規定されていた
自動車の運転により人を死傷させた場合の罰則
を抜き出し、特別法として新たに規定されたものである。

従前の刑法の 危険運転致死傷罪 の適用要件が緩和され、
アルコールや薬物、政令で定められた病気の影響で
正常な運転に支障が生じるおそれのある状態で自動車を運転し、人を死傷させた場合
にも 最高刑懲役15年 に処せられる。

さらに、アルコールや薬物の影響で事故を起こした者が、
飲酒等の発覚を隠すためにさらに飲酒などをした場合、
最高刑懲役12年 の 発覚免脱罪
という新たな罰則も設けられた。
また、これらの罪を無免許で犯した場合には刑が重くなる規定も設けられた。


このように危険運転に対する罰則が重くなった。
この厳罰化は、悪質な危険運転の抑止力となることが当然期待されている。


ところが、今回、また悪質な危険運転による悲惨な事件が続発した。
ドライバーは皆、厳罰化された法律のことを知っているのだろうか。
意識をしなければ知ることはないのではなかろうか。
法の周知を徹底し、ドライバーの安全意識が高められなければならない。


それよりもまず大切なのは、
ドライバーが自動車を運転すること自体の危険性
を改めて認識しておくことではないかと思う。

私が学生の頃、自動車の運転免許を取った時、
免許センターで職員の方が、
自動車の運転を、巨大な鉄の塊を超高速度で走らせる危険な行為
だと表現していた。

飲酒などしていたら、安全に巨大な鉄の塊を走られることなどできるはずがない。