父と子
「お前は俺に似て、嘘をつくのが下手だ。」ご存知の方もいらっしゃると思いますが、
伊坂幸太郎さんの「重力ピエロ」という小説に出てくる父親の発言です。
登場人物は、異父兄弟の「泉水」と「春」。
「泉水」は、上記発言をした父親の実子、
「春」は、母親が性犯罪被害を受けたことにより授かった子供です。
両親は、「春」が性犯罪の結果授かった子供であることを認識しながら、出産を決意し、
生まれた「春」も自分の父親が母親を強姦した人物であることを認識します。
その上で、父親は、「春」に対して、前記発言をしました。
自分のルーツについて悩む「春」にとってはこれ以上ない救いとなり得る言葉。
さて、昨年は、性同一性障害による性別変更後(女性→男性)、
第三者から精子の提供を受けて妊娠、出産した夫婦の子が嫡出子と推定される
との判断を示した最高裁判決がありました。
血のつながりがなくても「父と子」との判断です。
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